障子紙の種類と貼り方

2022/11/17 11:05

障子紙の貼り方

障子は多くのものが和紙で出来ており、糊で貼り付ける物という認識があると思いますが、
実は貼り付け方や素材にも種類があり、用途に合わせた障子を使うことによってより快適に過ごせます。
 
ここでは、主にのり・アイロン・両面テープの3種類があり、その3種類の貼り方とはがし方について説明します。
障子紙の種類によってはアイロンで貼り付けるタイプや従来のでんぷんのりで張り付かないタイプ(吸水性の無いプラスチック障子紙)があります。
貼りたい障子紙に記載されている貼り方に従って貼りましょう。

のりで貼る一般的な障子紙
厚みや柄が豊富で、色々な障子紙が出ています。和紙の良いところ(吸湿性・放湿性・程よい通気性・頑丈で長寿命)を活かせます。
主にのりで貼るので両面テープに比べ、張り替える際のコストがかからず、枚数の多いお宅にお勧めです。

アイロンで貼る障子紙
アイロンをかけると、糊が溶けて桟に張り付く仕組みの特殊なものです。
再度温めると、また糊が溶けるので、はがしやすい障子紙です。
一般的な障子紙より強度が強いものが多いです。

プラスチック障子紙
主に両面テープで貼るタイプと、のりでも貼れるタイプがあります。
和紙に比べ破れにくく、ペットや子供がイタズラをしても、穴が空きにくく、濡れても強いので、張り替える頻度が従来の障子に比べ少なくてすみます。反面、張り替えに多少コツが必要で、弛みなく貼るのが少し難しいので、二人以上での作業がお勧めです。
プラスチックフィルムを和紙でサンドした丈夫でかつ和紙の特性も残したものもあります。
障子紙が破れにくく固いので、余分な部分をカットする際切りにくい反面、のりと違い紙が乾いているものなので、仕上がりがきれいになります。なかには、水濡れに強く弛まない物や、拭き掃除もできる障子紙もあります。和紙の特徴と反対で、通気性が無いため断熱効果が高く、UV(紫外線)カット機能が付いている障子紙もあります。


★貼る前の注意
障子枠は劣化により木の持つアクが染み出る事があります。そのような状態の桟は、新しい障子紙を貼っても糊付けした部分が黄変色しますので、きれいに丸洗いした後、日陰干しで完全に乾燥させる事をお勧めします。 
 
 

のりで貼る障子紙



糊で貼った障子紙のはがし方

 
●準備するもの
・障子紙はがし剤(ない場合、湿らすようのスポンジと水またはお湯)
・割り箸
・歯ブラシ
・雑巾
●あるといいもの
・防水性のあるビニールシートなど
・ゴム手袋 


1、 貼り替えようとする障子戸にある桟に溜まった埃を払い、紙面を上にしてビニールシートなどに寝かせます。
2、 障子紙と桟が接着している部分に、障子紙はがし剤を使い、紙の上から湿らせます。はがし剤がない場合は水を含ませたスポンジで濡らしていきます。障子紙はがし剤は水やお湯より浸透性が高く紙に染み込むため、手軽かつ短時間ではがし作業を行えますのでおススメです。
3、 5~10分ほど待つことで、糊が柔らかくなるため、ゆっくり丁寧に端の方からはがしていきます。
4、 割り箸や歯ブラシなどを使い、桟に残った紙やのりを削ぎ落とすと、簡単かつ桟を痛めることなく取ることが可能です。
5、 桟に残った汚れやのり、障子などを雑巾などでしっかり取り、きれいに拭き上げた後は、日陰干しを半日ほど行い、しっかり乾燥させたら完了です。

 

のりで貼る障子紙の貼り方



● 準備するもの
・障子紙
・仮止めシール(障子紙に付属していなければセロハンテープやマスキングテープなど)
・ワンタッチ障子糊、きれいに張りたいなら障子用のりバケ(ならし用)
 (ない場合は障子のりと障子用のりバケ、のりを入れるトレー)
 ワンタッチ障子糊は障子用ハケやトレーなどの用意が不要で、手早く糊付けでき安価ですのでおススメします。
・障子紙ナイフ又はカッターナイフ
・障子紙定規又は長い定規
・紙やすり(細かめ)

●あったら良いもの
・霧吹き(きれいに張るために)


1、障子戸の桟に毛羽立ちや古いノリの残りがある場合、障子戸が乾いている状態で紙やすりで取り除くときれいに貼れます。
2、寝かせた障子戸の上枠に、障子紙の貼り始めを合わせ、中央1ヶ所を仮止め用シールなどを使い仮固定し、障子紙を広げます。


3、障子紙が、縦の桟に平行になり、柄などがある場合は好みの位置に調整したら、仮止めシールなどで貼り始めの両端を固定し、広げた紙は一旦巻き戻します。 
4、ワンタッチ障子のりの先喘ガイドを桟に添わせて、ボトル部分を軽く押しながらのり付けしていきます。のりの出る量はつまようじの太さぐらいが適量です。外枠はそれより多めに付けてください。なお、付けた糊をハケなどで伸ばすと、貼ったあとの糊跡がきれいに仕上がります。
ハケで塗る場合は、ハケ先をちょんちょんと桟に付けるように、のりを置くように塗りましょう。紙じゃくり(障子戸の外枠にあるのりしろの段差)のある障子戸は、段差に沿って糊付けして下さい。
5、テープで止めたところから、障子紙を転がし、中央から広げるように伸ばしていきます。しわが出ないように慎重にかつ、糊が乾く前に桟全面に広げて、軽く貼ります。


6、中央から端に向かって、接着部分をおさえてしっかりと貼り付けます。
7、紙じゃくり(障子戸の外枠にあるのりしろの段差)のある障子戸は、段差に沿って切りましょう。紙じゃくりのない障子戸は、紙の糊しろを約8mm〜1cm残し、障子紙定規を当てて障子紙ナイフで周囲の余分な紙を切り落とします。障子紙が濡れているので、カッターナイフで切る場合は破れないようによく切れるカッターをお使いください。
その後、きれいな雑巾で不要なのりを拭き取って下さい。
8、たるみが目立つ時は、糊がかわいた1,2日後に障子紙全面に少し霧吹きを吹きかけてください。


 
 

アイロンで貼る障子紙


 
アイロン障子紙のはがし方
貼る時より温度を高くセットしたアイロンを桟の接着部にあてながら、端の方から熱が冷める前にゆっくりとはがします。無理に引っ張ると、糊が強いので桟が毛羽立ち、傷んでしまうので気を付けてください。
糊が残った場合は、紙やすりで削って取り除きましょう。

アイロンで貼る障子紙の張り方



●準備するもの
・障子紙
・家庭用アイロンと延長コード
・障子紙ナイフ又はカッターナイフ
・障子紙定規又は長い定規
・仮止めテープ(セロハンテープなど)
●あったら良いもの
・霧吹き
 

1、主に巻いてある障子紙の外側が、ざらざらしているのり面になります。まず説明書でご確認ください。アイロンはスチームを切り、商品記載の温度にセットしましょう。


2、寝かせた障子戸に、障子紙を広げ、セロハンテープなどで弛みのないようにかどや端を仮止めします。


3、アイロンを使い、外枠の角や端を4~6点ほど、アイロンを数秒あて、仮止めします。


4、  桟の中央から外枠に向かって、アイロンをゆっくりとあてながら全体に貼って行きます。この時外枠は残しておきましょう。最後に糊付けします。アイロンを早く動かしたり、強く抑えるとシワができやすくなるので注意しましょう。
5、  この時シワが出るようならば、仮止めした部分にアイロンをあて、熱が冷めないうちにその部分を一度はがし若干引っ張り気味にしながら再度貼り直して下さい。
6、障子用定規を使い、紙じゃくり(外枠ののりしろの段差)に沿ってカットします。


7、外枠の糊付けは、辺の真ん中から左右にアイロンを当てていくと上手に貼ることができます。角から糊付けを始めるとしわになりやすいです。
8、 貼り終えて、紙にたるみが目立つ場合は障子紙全体に薄く均等に霧吹きを行います。


アイロン障子紙は貼り付けた後、はがれた個所や貼り残しが見つかった場合も再度その部分にアイロンをあてれば接着します。但し、やり直す回数が増えると接着力が弱くなってしまい、障子紙に糊の跡が残ることもありますのでご注意下さい。
 

両面テープで貼る障子紙



 両面テープ貼り障子紙のはがし方


●準備するもの
・障子紙
・障子用両面テープ
・カッターナイフ
・障子紙定規又は長い定規
・紙やすり(細かめ)
 

貼られている障子の角から、ドライヤーで温め、テープの糊を柔らかくしながら、徐々にはがします。はがしたあと、桟がけば立つので紙やすりで滑らかにします。


両面テープで貼る障子紙の貼り方

1、桟の接着面が毛羽立っていたり、でこぼこがある場合、サンドペーパーで表面を平らに整えて下さい。両面テープの接着力が十分に得られず「はがれ」の原因になります。プラスチック障子紙は、端が鋭いので手を切らないよう注意してください。
2、寝かせた障子戸の上枠に、障子紙の貼り始めを合わせ、上部2,3ヶ所を仮止め用シールなどを使い仮固定し、障子紙を広げて、位置調整をします。


3、障子紙が、縦の桟に平行になり、柄などがある場合は好みの位置に調整したら、仮止めシールなどで貼り始めの両端をさらに2,3箇所以上固定し、広げた紙は一旦巻き戻します。2人以上で貼れる場合は、テープの固定をしなくて結構です。


4、桟に障子紙用両面テープを貼ります。その際、縦を一通り貼った後、保護紙を必ずはがします。はがし忘れて横の桟を貼り始めてしまうと、縦の保護紙がはがせなくなりますのでご注意ください。
5、横の桟を貼り保護紙をはがし、外枠を貼っていくときれいに無駄なく貼ることができます。横からでも縦からでも構いませんが、外枠は最後に貼りましょう。


6、桟に貼った両面テープに障子紙が触れないように、紙を持ち上げて広げます。下枠まで移動した後、障子紙が縦の桟に平行になるようにゆっくり置きます。この時、2人がかりであれば、2人で紙の端を持って置くことができるので、より上手に貼ることができます。
転がして貼ることもできますが、慣れていない人ではしわや斜めになったりと上手に貼れないことが多いです。


7、置き終わったら、障子戸の中央部より外枠に向かって広げるように桟を押さえて、両面テープがしっかり張り付くように指先でなぞり、弛みやシワを外に逃がすようにしながら圧着して下さい。
8、 四方の外枠も辺の真ん中からかどへ向かって圧着します。
9、障子用定規を使い、紙じゃくり(外枠ののりしろの段差)に沿ってカットします。


10、最後にもう一度、接着面を強くなぞり(特に四方の外枠)圧着して下さい。
 
★貼った後の注意
プラスチック障子紙は水分による伸縮はしないので、霧吹きをしてもピンと張った状態にはなりません。弛みが出ないよう注意して貼って下さい。

 
 

 
以上、障子紙の特徴・はがし方・貼り方の説明となります。
参考にしたり、他の方に説明する際にご活用下さい。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

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